地味で地道なはてなブログ

ダイアリー「地味で地道な」から引っ越しました。

「文系」と「理系」

今日仕事場で使っていたひとがいたのでよーやく「文系」の意味がわかった。
たとえばIT系の仕事なのに朝礼があったりとか訓話がムダに長かったりとかってことな・・・。

しかして文系の研究室出身者としては、その呼び方に異議をとなえたくなる(汗)

大学での師匠がそろいもそろって極めて平易かつ切れ味抜群な論文を書く先生ばかりだったためか、
どうもそういうイメージがない。
「理系」にはとんと弱い先生方だったが、もしプログラミング言語を覚えたら、
目の覚めるようなうつくしいコードを書くに違いないと思うような、ほんとうにすばらしい、わくわくするような論文の数々。
第一線の文系の研究者というのは、むしろ、ものすごく「理系」的な考え方をしてるんじゃないかと思う。

ムダに読みづらかったり余計な手間がかかるのは、私のなかでは「文系」というより「官僚主義的」という言葉なのだと思う。
ああ、それならわかる。私のすごく嫌いなジャンルだ・・・。

経済関係自体にもそんなに悪い印象ないんだよなー。

経済界の切れ者たちをじかにみてきているし、
きちんとお金の計算のできるプロジェクトはちゃんとしたプロジェクト。
ちゃんと計算しないのはやばいプロジェクト(汗)
理系理系ってふだんいっているくせに日数と人数と単価の単純な四則演算もできないのかよ!といいたくなることもしばしば。

むう、ことばにキャズムがある(笑)

それこそ、"evil"、「邪悪」って基準なんだろうかなと思う。

本来追求されるべき目的に対して、
あまりにも的はずしまくりな行動、目的を達成することに対して妨げとなりまくるような状態、

あるいは、目標を達成するためにあまりにも反社会的だったり、「ずる」をしたり、
皮膚感覚で「それは違うだろう!」と思わず突っ込んでしまうようなやりかたなど。

「文系」が文脈によっては「邪悪」の代名詞にされてるのはやだなー。
血沸き肉躍るような「文系」にふれてから言え。
多分その差異は「理系」と「文系」がお互いにお互いを知ろうとしてはじめて埋められるものなんじゃないかと思う。
三国志だって西遊記だって封神演義だって、研究しているのは文系の研究者だ。
田中芳樹だって夢枕獏だって文系だし。

いまは「邪悪」と訳されているその言葉、
Googleのいう"evil"にぴったりとあてはまる言葉、概念は、まだまだ日本語ではおっついていないのだろうな、と思う。

以前初音ミクのエントリでも書いたけれど、どうにもうまい言葉がない。
「邪悪」ではなにかが足りない。

そういうときこそ、文系の出番だと思うのだけど。

糸井重里あたりだと、ぽこっとうまい言葉を思いつきそうだけどなー。
ときどき「ほぼ日」で書いていることって、まさに「邪悪」と「官僚主義」をめぐる内容だなあと思うのだ。

うまい言葉かー。
辞書をはしからはしまで読んでみたら、ぽこっとあてはまるような言葉があるのかなあ。

そう、ジグソーパズルのように「ぽこっと」きれいに当てはまる言葉。

皮膚感覚として胸のなかにはあって、
それこそ「百人なら百人が」、それだ!といいあてられるようなものが、
たしかに存在するのだけど、
まだうまく言葉になりきってない。

いまは試行錯誤の段階なのかな。

真実はもうそれぞれの胸のなかにあって、
かたちにできる「それ」を探している。

たまたまそれぞれのイメージの中での形が似ているから、
あるひとは「邪悪」といい、
あるひとは「文系」という言葉を使い、

でも、私にはそのどちらもうまくしっくりこない。

北海道弁でいう「いずい」「あずましくない」というのが、多分一番近いなあ。