地味で地道なはてなブログ

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しゃべれども しゃべれども

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

久しぶりに再読。
要領悪くてどんくさくて不器用で、
でも、それがどうした。
うまく歩けなくてよろけてぶつかったり、
転んで怪我したりして、
それでも、痛い痛いと思っても、
ぐっとこらえて、
先に進む。進もうとあがく。
要領いい人達が軽々と追い越しては、
さんざんに嘲笑する。
それでも進む。
昏い期待にお応えすることなく、

立って進み続ける。
這ってでも進み続ける。
その先にあるのは、
仰々しい賛辞にたたえられるような類の、
華々しい成功ではない。
ゲド戦記にいう、
アレンが苦しみの山から帰還したときのような、
淡々と、でも確実な、
消えてなくなったりしない、しっかりとした何かだ。
そんなふうなもの。
多くは気持ちとかひととのつながりとか、
そういったものが待ってることを信じて進む。